最後のキス。
2002年11月7日直樹が家に着替えを取りに来る。
その間、あたしは自宅で待機していろ、と言われたが…。
勝手に足が向かってしまってた。
「来ると思った」
玄関のカギを開けると
ちょっと怒った顔の直樹が立ってた。
その顔をみただけで、もうダメ。ノックアウト。
でも、抱きつきたい気持ちや、キスしたい気持ちは我慢しました。
「来て欲しかった?」
こっちも強気。
こういう事が言えるようになっただけでも進歩かな。
「ウン」
だって。
また胸が締め付けられてしまったわ。
「あっちの家、住みにくい?」
いくら母親の家と言えども、新しい旦那さんがいるから
落ち着くことは出来ないだろう。
「そうでもないよ、ほっといてもらってるから」
目を合わそうとせずに、荷物だけ詰め込んで
急いで帰ろうとしてる。
「コーヒーぐらい、飲もうよ」
と言っても、返事はノーだった。
玄関で靴を履く直樹の背中見つめて
ドア開ける直樹の背中見つめて
少しずつ遠のく直樹の背中見つめて
あたしはひたすらに祈り続けた。
お願い、振り返って。
祈る気持ち虚しく、直樹が門を出ていったので
諦めて、ドアを閉めようとした時、
門の向こう側で、あたしの方を振り返った。
胸がドキドキしている。
薫の悲痛の寝顔を思い出して、あたしの暴走を
くい止めていたけど、直樹の方が無理のようだった。
すごい勢いで玄関まで戻ってきて
「最後にキスしていい?」
と聞く。
最後なんてヤダ!
そう言うつもりで、横に首を振ったんだけど。
複雑な気持ちが入り混ざって、うまく言葉が出てこなかった。
脱力した直樹は、あたしの涙だけ拭って出ていった。
玄関でしばらく泣き続けた。
全然、諦め切れていない直樹への想いと
薫の愛情に答えなきゃならないプレッシャーに
押しつぶされて、泣き続けた。
泣き疲れて、気づくと真っ暗で
携帯を見たら8時を回っていた。
薫からメール
「帰りは9時ぐらいになる。ごめんね」
体の力という力が入らなくて、ゴハンの準備も
する気がない。
頭の中には直樹の顔だけがこびりついていて、
離れなかった。
最後のキスしておけばよかった。
そういう事しか考えれない。
だったら、最後のキス、しに行こう。
そう思ったら居ても立ってもいられなくて
すぐに直樹の所へ向かった。
直樹のお母さんが困った顔してた。
困った顔…というより迷惑そう。
それでも、「どうぞ」とあげてくれた。
部屋に案内してももらうと、
直樹はすごく驚いてた。
「どしたん?」
「最後のキスしに来た」
と言ったら、ちょっと笑ってた。
よく考えたら、笑えるような行動…。
自分って、何て人間なんだろう、とだんだん恥ずかしくなって
ちょっと直樹に八つ当たりしてみた。
「じゃぁ、最後のキスしたらすぐ帰んな」
と言って、あたしに近づいてくる。
最後なんだ、最後なんだ、ってズキズキきたけど
柔らかくあたしを抱きしめてくれた。
これも最後なんだ、って。
そういう風に思えば思うほど、自分たちの首閉めてる。
充分判ってるんだけど、どうしてもダメ。
長い長いキスをした。
やっぱり幸せな気分になった。
直樹の車で送ってもらって、バイバイって言った。
薫が帰ってきたのは9時半。
それまでに、ゴハンの準備もした。
帰ってきてからも、普通に振る舞った。
一緒に寝るのが、ちょっと苦痛だった…。
その間、あたしは自宅で待機していろ、と言われたが…。
勝手に足が向かってしまってた。
「来ると思った」
玄関のカギを開けると
ちょっと怒った顔の直樹が立ってた。
その顔をみただけで、もうダメ。ノックアウト。
でも、抱きつきたい気持ちや、キスしたい気持ちは我慢しました。
「来て欲しかった?」
こっちも強気。
こういう事が言えるようになっただけでも進歩かな。
「ウン」
だって。
また胸が締め付けられてしまったわ。
「あっちの家、住みにくい?」
いくら母親の家と言えども、新しい旦那さんがいるから
落ち着くことは出来ないだろう。
「そうでもないよ、ほっといてもらってるから」
目を合わそうとせずに、荷物だけ詰め込んで
急いで帰ろうとしてる。
「コーヒーぐらい、飲もうよ」
と言っても、返事はノーだった。
玄関で靴を履く直樹の背中見つめて
ドア開ける直樹の背中見つめて
少しずつ遠のく直樹の背中見つめて
あたしはひたすらに祈り続けた。
お願い、振り返って。
祈る気持ち虚しく、直樹が門を出ていったので
諦めて、ドアを閉めようとした時、
門の向こう側で、あたしの方を振り返った。
胸がドキドキしている。
薫の悲痛の寝顔を思い出して、あたしの暴走を
くい止めていたけど、直樹の方が無理のようだった。
すごい勢いで玄関まで戻ってきて
「最後にキスしていい?」
と聞く。
最後なんてヤダ!
そう言うつもりで、横に首を振ったんだけど。
複雑な気持ちが入り混ざって、うまく言葉が出てこなかった。
脱力した直樹は、あたしの涙だけ拭って出ていった。
玄関でしばらく泣き続けた。
全然、諦め切れていない直樹への想いと
薫の愛情に答えなきゃならないプレッシャーに
押しつぶされて、泣き続けた。
泣き疲れて、気づくと真っ暗で
携帯を見たら8時を回っていた。
薫からメール
「帰りは9時ぐらいになる。ごめんね」
体の力という力が入らなくて、ゴハンの準備も
する気がない。
頭の中には直樹の顔だけがこびりついていて、
離れなかった。
最後のキスしておけばよかった。
そういう事しか考えれない。
だったら、最後のキス、しに行こう。
そう思ったら居ても立ってもいられなくて
すぐに直樹の所へ向かった。
直樹のお母さんが困った顔してた。
困った顔…というより迷惑そう。
それでも、「どうぞ」とあげてくれた。
部屋に案内してももらうと、
直樹はすごく驚いてた。
「どしたん?」
「最後のキスしに来た」
と言ったら、ちょっと笑ってた。
よく考えたら、笑えるような行動…。
自分って、何て人間なんだろう、とだんだん恥ずかしくなって
ちょっと直樹に八つ当たりしてみた。
「じゃぁ、最後のキスしたらすぐ帰んな」
と言って、あたしに近づいてくる。
最後なんだ、最後なんだ、ってズキズキきたけど
柔らかくあたしを抱きしめてくれた。
これも最後なんだ、って。
そういう風に思えば思うほど、自分たちの首閉めてる。
充分判ってるんだけど、どうしてもダメ。
長い長いキスをした。
やっぱり幸せな気分になった。
直樹の車で送ってもらって、バイバイって言った。
薫が帰ってきたのは9時半。
それまでに、ゴハンの準備もした。
帰ってきてからも、普通に振る舞った。
一緒に寝るのが、ちょっと苦痛だった…。
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